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ジャン・ニコラ・メオ氏へのインタビュー

ドメーヌ・メオ・カミュゼはブルゴーニュのコート・ドールで最も有名なワイン生産者の一人です。ドメーヌの歴史は、19 世紀初頭にエチエンヌ・カミュゼがヴォーヌ・ロマネの畑を取得したことから始まります。当時エティエンヌは政治家として活動しており、コート・ドールの代議士も務めながら生活のほとんどをパリで過ごしていました。ブドウ畑に費やせる時間はわずかで、その後ドメーヌは娘のマリア・ノロワに引き継がれ、1959 年には甥のジャン・メオへと渡されます。これが現在知られているドメーヌ・メオ・カミュゼの原型です。またその後 1980 年代半ばには、ジャンの息子、ジャン・ニコラ・メオにドメーヌは受け継がれていきます。


ブルゴーニュの新星が下した勇気ある決断とは

メオ氏はわずか 20 歳でドメーヌを引き継ぐという勇気ある決断をしました。当時彼はまだビジネス学を学ぶ学生で、ワイン業界の経験は全くなかったのです。しかし今やブルゴーニュにおけるメオ氏の名前は、誰もが知るところとなっています。「私はすぐにこの仕事がいかに喜びを感じられるものかを実感しました。ブドウ畑での手作業、ドメーヌとセラーでのワイン造り、ワインを売りに出ることもありますし、世界を旅することもあります。また、私は世界中の人々を私のセラーに招待することもできます」メオ氏は最初の3年間だけの挑戦と考えていましたが、このユニークで興味深い仕事は、彼の関心と情熱を気づかせ、今日までドメーヌに留まらせてきました。「私の主 なワイン造り哲 学は、アンリ・ジャイエに形作られたものです」とメオ氏 。アンリ・ジャイエはワイン業界で革新者として広く知られたワイン生産者で、彼自身のラベルでメオ・カミュゼの区画 から40年に渡りワイン造りに携わってきました。メオ氏はアンリ・ジャイエ からブドウ栽培の知恵とワイン造りの技術を学び、受け継いでいます。最小限の化学物質使用、雑草を抑えるためのまめな除草作業、ブドウの低収量収穫、低温浸漬など多岐に渡ります。「彼のワインはとてもまろやかでいて、濃密です。そして親しみやすい。とても魅力的なワインたちです。私は本当に彼の造るワインが好きなので、これ以上のスタイルを追い求めようとしませんでした。実際、私は骨格がしっかりとした新鮮な果実味とアロマをもったワインを好みます。そしてアンリが手掛けたワインよりも、少しタンニンが感じられて、しっかりとしたワインが好きです。こうして私のワインは洗練されてきました」ドメーヌ・メオ・カミュゼのワインは、アンリ・ジャイエの影響をまぎれもなく継承する一方で、ブルゴーニュワイン愛好家が求めるメオ・カミュ ゼ独自のスタイルへと進化させてきました。


「私達が大きく依存する“自然”が与えてくれるもので、ベストを尽くさなければならない」これはまさに、ブルゴーニュの精神とも言える

Jean Nicolas Méo

地球温暖化は世界中に影響をもたらしています。自然が与えてくれるものでワイン生産者たちはベストなワイン造りをしなければならない、というブルゴーニュの原理に基づき、ドメーヌ・メオ・カミュゼはどのように地球温暖化をとらえているのでしょうか?「ピノ ・ノワールというブドウは、それぞれの時代の土地の特徴と個性を表します」とメオ氏はブルゴーニュの哲学を明快に説明してくれました。「地球温暖化はブルゴーニュで問題となり始めており、事実ブルゴーニュのクリマに影響を及ぼしています」とメオ氏は説明し、過去 5 年間で最も熟したブドウを得た経験を語りました。猛暑は結果的に過熟のブドウを生み出します。過熟のブドウからできたワインは甘さが強調されるか、高いアルコール度数のワインに仕上がります。これは典型的なブルゴーニュのスタイルではありません。 一方、地球温暖化の広がりはブルゴーニュに恩恵ももたらします。1970 年代から80年代の多くのワインは未熟なままです。しかし25年間にわたる地球温暖化を受けて、かつてよりブドウは熟しやすくなり、ブルゴーニュに利益をもたらしています。2020 年を例にとると、今年は大変早い収穫の時期を迎えました。ヴォーヌ・ロマネにあるドメーヌは、例年とは異なる 8 月下旬から収穫を始めました。「気候変動が起きているため、春を大変早くに迎え、夏には日差しが十分過ぎるくらいです。これらの要素から2020年のワインは大変しっかりとしたテイストで酸を十分に伴ったものとなると予想します。また待ちに待った印象的なヴィンテージになりそうです。」とメオ氏は語りました。


「ピノ・ノワールは気候変動の影響を多大に受け、消費者たちから求められることも変化しました。過去約30年間、ピノ・ノワールは軽いテイストでしたが、今は凝縮感があり円熟したものとなっています。私は特に90年代に数多くの人々が、以前よりもさらにピノ・ノワールを求めたと考えます。これらの流れを経て、本来のピノ・ノワールの味を持つワインに戻っていきます。それは重厚感があるものではなく軽快な多様性を持つワインです。ドメーヌの数だけピノ・ノワールのスタイルがあります。ワイン生産者はピノ・ノワールで望み通りのワイン造りができ、多様性に富んだ素晴らしい品質のワインを造り出すことができるのです」。

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