ドメーヌ・ルフレーヴの功績は、受賞ワインだけで物語られるものではありません。卵型をデザインした斬新なセラーからは、ドメーヌのダイナミックな哲学と文化を垣間見ることができます。
“卵は生命を表現し、デザインは 精神性に満ちている。凛とした線は私たちのワインの清廉さを表現しています。光の当て方も美しく、これは私たちの芸術作品なのです。”
ドメーヌ・ルフレーヴは長い間、ブルゴーニュの白ワイン生産者の象徴的な存在であり、今日ではピュリニー・モンラッシェで最も有名なドメーヌとして世界に知られています。ドメーヌは1905年にジョセフ・ルフレーヴによって設立され、現在は彼の曾孫であるブリス・ド・ラ・モランディエールが経営しています。ブルゴーニュで最も尊敬されるワイン生産者の一人であり、ルフレーヴ三代目当主であったアンヌ・クロード・ルフレーヴの功績により、ドメーヌ・ルフレーヴは20年以上にわたってバイオダイナミック農法におけるブドウ栽培のパイオニアであり続けています。
ドメーヌ・ルフレーヴの卵型セラーがもたらす黄金比
ちょうど2013年の収穫期を迎えたとき「卵型セラー」もまた、時を同じく9月に完成したのでした。アンヌ・クロード・ルフレーヴの娘マリーン・ジャック・ルフレーヴがデザインし、ドメーヌ・ルフレーヴのバイオダイナミック栽培哲学を表現し、考え方を目に見える形で構築しました。バイオダイナミックとは哲学であり、取り組む姿勢であり、自然のバランスがブドウ栽培者のすべての行動指針として息づく人生の芸術作品なのです。
「卵は生命を表す」―なぜ卵型セラーなのか―
黄金比はセラーのデザインに溶け込み、芸術作品へと姿を変えます。「卵は生命を表現し、デザインは精神性に満ちたものです。凛とした線は私たちのワインの清廉さを表現していて、また光の当て方も美しいのです。これは私たちの芸術作品です」とモランディエール氏はセラーについて述べています。きれいな丸みを帯びたセラーのデザインは、生命が自然に内在する調和と幾何学模様を表現しています。美しさだけでなく、卵型セラーのデザインは持続可能な発展の未来を想像させます。
ピュリニー・モンラッシェでは地下水位が高すぎるため、セラーを地下に設置することができません。空調や環境に害を及ぼすあらゆる素材を避けるため、マリーン・ジ ャック・ルフレーヴは黄金比率の原則を用い、麦わらや木材、粘土、土レンガなど、天然で地元産の材料を使用した卵型セラーを地表に作成しました。高さにして7 メートルのセラーが完成し、最大180樽を収納することができます。年間を通じて湿度は90パーセント、室温は摂氏約13度を保つことができます。新しいセラーで寝かされたワインは、結果的に自然環境とより良い接点をもって維持されます。黄金比率の原則に基づいた芸術と科学は、ワインにより良い成長と味わいをもたらします。
アンヌ・クロードは新しい卵型セラーの効果を確かめるため、ブラインドテイスティングを行いました。すると驚くべきことに90パーセントの著名なエノロジストたちが、通常のセラーと卵型セラーで熟成されたワインのはっきりとした違いに同意したのです。ドメーヌ・ルフレーヴの卵型セラーがもたらす理想的なワインの熟成環境と、さらに味わいにエレガントさが生まれることをエノロジストたちは賛同したのです。
バイオダイナミックと ブルゴーニュの伝統が融合した創造的な試みで、ドメーヌ・ルフレーヴは自然を保護しながらも人類のさらなる発展を続ける近代社会の道を切り開いています。
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