スミソニアン国立アジア美術館は、2024年10月26日から2026年後半にかけて、日本の美術と文化に焦点を当てた大規模な展覧会シリーズ「Japan in Focus」を開催しています。100年以上の歴史を持つ同館は、古来から現代に至る日本美術の実践や文化的儀式など、その多様な伝統を来館者に紹介していきます。
左: 茶碗、江戸時代、17世紀、日本、鹿児島県、薩摩焼 白薩摩|陶器に透明の貫入釉、墨による染み、金継ぎ|スミソニアン国立
アジア美術館、フリーア・コレクション、チャールズ・ラング・フリーア寄贈、F1904.323
右: 『融通念仏縁起』|巻物、鎌倉時代または14世紀、日本|紙に墨、彩色、金|スミソニアン国立アジア美術館、フリーア・コレクション、チャールズ・ラング・フリーア基金にて購入、F1959.13
同館の歴史は1923年、チャールズ・ラング・フリーアによって寄贈された約9,500点の美術品コレクションから始まりました。その中で日本美術は2,000点以上を占め、絵画、陶芸、仏教絵画、金属工芸、彫刻など、多岐にわたります。現在では、コレクションは15,000点以上に拡大し、美術館の常設コレクションの約3分の1を占める重要なコレクションとなっています。チェイス・F・ロビンソン館長は「当館の創設は日本の美術と文化に深く根ざしています。二世紀目を迎えるにあたり、来館者との新たなつながりを築く機会を創出していきたい」と意気込みを語っています。
本展は5つの主要な展示で構成されています。まず10月26日からは、再構築された常設展示「日本美術-コレクションより-」が公開されます。紀元前3000年から20世紀に至る60点以上の作品を、エコロジー、貿易、身体表現、危機と契機といったテーマ別に再構成し、来館者に新たな視点を提供します。続いて11月16日からは「版画の世代」展が開催され、20世紀初頭の「創作版画」運動に焦点を当てます。また、「結ばれた粘土:楽焼と茶の湯」展では、日本の伝統的な陶芸と茶道文化の関係性を探ります。
2025年4月からは「集いの本質:日本の茶道の真髄」展が開催され、キンゼイ茶の湯コレクションから200点近い茶道具が展示されます。さらに2025年6月には「カット+ペースト」展が予定され、20世紀の実験的な日本のアーティストたちの作品が紹介されます。
展覧会に加えて、年間を通じて様々なパブリックプログラムも実施されます。茶の湯の実演、伝統工芸のワークショップ、講演会などが予定されており、参加者は五感を通じて日本文化を体験することができます。
Japan in Focus
会期:2024年10月26日~2026年後半
(1050年インディペンデンスアベニューSW, ワシントン, DC 20013-7012, 米国)
入場料:無料
開館時間:10:00 - 17:30
閉館日:12月25日
ウェブサイト:asia.si.edu