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「私たちは皆、少し夢を見た方がいい"」家族の歴史を紡ぎ続けるドメーヌ・A. F. グロのワイン造り

ドメーヌ・A. F. グロは、1988年にフランスのブルゴーニュに誕生しました。有名な醸造家アンヌ・フランソワーズ・グロが父の畑を継承し、ブランドを再生することにしたのです。現在、このドメーヌには、別の系譜の有名醸造家も関わっています。アンヌ・フランソワーズの夫、フランソワ・パランです。


パランもワイン界で名を馳せており、彼のピノ・ノワールは世界的にも有名です。ドメーヌ・A. F. グロの設立以来、パランは独創性を発揮しながら、毎年、丹精を込めてワインを造り続けてきました。

カロリーヌ・パラン と マティアス・パラン
「父フランソワ・パランは、ドメーヌが誕生した1988年以来醸造を続けており、ブドウの出来やおいしさ、毎年のヴィンテージの特徴を常に気にかけてきました。」

名門ドメーヌの2人の出会い

この偉大な醸造家夫婦の3人の子どもの1人が、カロリーヌ・パランです。彼女は兄弟とともに実家のドメーヌで働き、ドメーヌ・A. F. グロは、家族経営の貴重な例となっています。カロリーヌによると、フランスの伝統的なワインの産地では、土地の価格の上昇が続いているために、家族の名前のドメーヌを維持することは難しくなっています。彼らの名字を残すことは、少なくともあと一世代は可能だそうです。

私たちはカロリーヌに、ドメーヌ・A. F. グロにおける家族の意味、地域のブドウの品種、ワイン醸造で使用する画期的な技術について尋ねました。

アンヌ・フランソワーズ・グロ と フランソワ・パラ


ワインの産地と多様な個性

ドメーヌ・A. F. グロは、ブルゴーニュの2つの名門ドメーヌの子息同士の結婚により生まれました。アンヌ・フランソワーズのドメーヌはコート・ド・ニュイのヴォーヌ・ロマネに、夫のフランソワ・パランのドメーヌは、コート・ド・ボーヌのポマールにあります。


両ドメーヌは土壌の性質が似ている一方、醸造されるワインの個性はまったく異なるとカロリーヌは言います。「ヴォーヌ・ロマネもポマールも、土壌は石灰質と粘土質ですが、その組成が違います。これは、ブルゴーニュの神秘です。」


しかし彼女は、両ドメーヌのワインの特徴が異なるのは、グロとパランのワイン造りへの姿勢が反映されているからだと考えています。カロリーヌによると、ポマールのワインは、よりしっかりとしてエレガント、ヴォーヌ・ロマネのワインは、やわらかく繊細なのだそうです。


「ワインの醸造方法は変わりません。ポマールとヴォーヌ・ロマネのワインは、一般的なブルゴーニュ、またはリシュブールというグラン・クリュのワインです。手順は同じです。」


細かな調整の力

彼女は、ドメーヌに取り入れる技術は、天候やブドウ畑の状況によって毎年変えていると強調します。


「2016年、私たちは、亜硫酸塩を添加しないブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイを造ってみることにしました。」その結果は?「二酸化硫黄の代わりに種子の抽出物から作った天然の酸化防止剤を使って、ワインの香りが豊かになりました。」

ワインの醸造工程に最先端の技術が取り入れられると、ワインの質が向上します。カロリーヌの兄であるマティアス・パランもこのドメーヌの醸造家で、テクノロジーを用いた醸造工程の改良に取り組んでいます。

カロリーヌは、2011年より使用している除梗の新しいテクノロジーについて、こう紹介しました。「除梗する際に、ブドウをつぶさずに皮を残したままにする新しい機械を使用しています。」そのため、発酵の過程での雑味が少なくなり、ブドウの粒の中でも発酵が起こるそうです。

「2019年以来、部分的に全房発酵を取り入れています。気候が暑くなり、ヴィンテージが変わってしまったからです。これにより、ワインがフレッシュになりました」と、カロリーヌ。「我々のワインのスタイルを変えたわけではありません。決して、違います。これは進化であり、微調整をしただけなのです。」




The Brand

ドメーヌ・A. F. グロで醸造されたワインの独特のボトル・デザインは、それぞれのテロワールにインスピレーションを得たものです。ラベルに繊細に描かれている顔で、一族が運営するアペラシオン(産地)を表しています。


ラベルは、フランスの彫刻家マリー=ポール・ドゥヴィル=シャブロルの作品で、アンヌ・フランソワーズ、彼女の母、姉妹、そしてカロリーヌなど、一族の女性の写真をモチーフにしています。

家族の肖像のイメージは、ドメーヌ・A. F. グロを支える哲学を見せ、ブランドのマーケティングのキーとなっているとカロリーヌは言います。

「私たちのドメーヌの哲学には、一族に対する思いがあります。それは、家族の長い物語です。兄はパラン家の14代目ですが、グロ家にも同等の歴史があります。夢があると思いませんか?」


いくつかのアペラシオンは管理が厳しく、簡単には入れない。そう、箱入り娘のよう。他には、すぐに行くことができます。

マティアス・パランは収穫に取り組んでいました

Wine & art & NFTs

カロリーヌは、ワイン醸造を、アートのようだと考えています。収穫ごとに創造があるからです。「毎年、天候やブドウの出来が違います。それがおもしろい。毎年何か新しいことをしています。まさにアートですね。」


彼女によると、世界のアートシーンは、NFT(非代替性トークン)の登場により劇的な変化がありました。アート売買の手段として、アート産業を大きく動かしていると言います。世界各国のワイン醸造家も、この番号化されたマーケットに参入できるのではないかとカロリーヌは考えています。


本物である証しとしてNFTを使用するのです。ワインの偽造の問題に取り組むには不可欠で、高級ブランドの中では、すでに使用をはじめているところもあるそうです。


「NFTはこれから使用したいと、とても興味を持っています。私たちは様々なアペラシオンを所有しているので、将来的に各ワインを証明するのに使用したいです」と、カロリーヌは結びました。

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