「時代のプリズム」展、国立新美術館で開催 ── グローバル化と共鳴した日本の現代美術1989-2010を再考する
- Gen de Art
- 4月18日
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2025年9月3日(水)から12月8日(月)まで、国立新美術館(東京・六本木)にて展覧会「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010」が開催される。本展は、香港の美術館M+との初の協働キュレーションにより、グローバル化の波が押し寄せた20年にわたる日本の現代美術の軌跡を多角的に照射する試みだ。

多層的な時代を「プリズム」の視点で読み解く
展覧会タイトル「時代のプリズム」は、社会・文化・歴史といった複雑な要素が交錯する1989年から2010年の日本において、美術が多様なレンズとなって現実を分光してきた様を象徴する。冷戦終結後の国際的対話が活発化したこの時代、日本では新たな批評性や実験的表現が芽吹いた。
会場では、プロローグとイントロダクションに続き、3つの章を通じて作品を展開:
第1章「過去という亡霊」:戦争や被爆の記憶を問い直す作品群
第2章「自己と他者と」:ジェンダー、アイデンティティ、視線の交錯を探る表現
第3章「コミュニティの持つ未来」:社会との関係性を再構築するプロジェクト
村上隆《ランドセルプロジェクト》、束芋《公衆便女》、椿昇《エステティック・ポリューション》をはじめ、国内外から約50組以上のアーティストが参加。国際的な視座を交えながら、日本発の現代美術の多元性と可能性に迫る。
本展は、M+のアーティスティック・ディレクターであるドリアン・チョンと、国立新美術館のキュレーター陣による共同企画。社会的・政治的変化の只中で生まれた芸術表現に、新たな評価軸を与える機会となるだろう。
時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989–2010
会期:2025年9月3日(水)~12月8日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間:10:00~18:00(金・土曜は20:00まで)
休館日:毎週火曜(9月23日は開館、翌24日は休館)
観覧料:後日発表予定