カルティエ現代美術財団で、オーストラリア人アーティスト、ロン・ミュエク氏の最新展が開催されています。今展覧会では、新作から代表作までミュエク氏の象徴的な彫刻作品が展示され、来場者の視覚に刺激的な体験を提供しています。
Ron Mueck, Mass (2017)
Vue de l’exposition Ron Mueck à la Fondation Cartier pour l’art contemporain
Matériaux divers / Mixed media Dimensions variables / Variable dimensions
National Gallery of Victoria, Melbourne, Felton Bequest, 2018
Photo © Marc Domage
カルティエ現代美術財団
パリの中心に位置するカルティエ現代美術財団は、長い間、芸術の革新と創造性の砦であり続けてきました。1984年に設立され、この種の財団としてはフランスで最も長い歴史を誇ります。長年にわたり、デザイン、建築、ビジュアル・アート、サウンド・アート、さらにはパフォーマンスなど、学術的な芸術形態への献身で名声を培ってきました。市場志向型経営とは一線を画した実験的な空間を誇りとしており、ヨーロッパのみならず世界的にもユニークな機関として知られています。
Paris + Art Basel 2023の会期中に、カルティエ現代美術財団のクリス・デルコン常務へインタビューを行い、同財団の今後の計画についてお話を伺うことができました。デルコン氏は、カルティエの日本における50周年記念事業について触れ、カルティエ現代美術財団とのコラボレーションにより、日本の所蔵品の一部を展示することになったと明かしました。
カルティエの日本進出50周年は、今年で設立40周年を迎えるカルティエ現代美術財団の重要な節目と重なります。これを記念して、カルティエ現代美術財団はルーブル美術館に近いリヴォリ通りに移転することを表明しました。著名な建築家ジャン・ヌーヴェル氏の設計によるこの新たな建築物は、現代建築の卓越性を示すだけでなく、カルティエ現代美術財団の活動の場ともなります。
デルコン氏は、財団が市場主導のトレンドを超越した唯一無二の機関であることを誇りに思っています。彼は、さまざまな芸術形態を育成し、革新を奨励することで、学問の探求の場を提供する財団のコミットメントを強調しました。
Ron Mueck, En Garde (2023)
Ron Mueck pendant le montage de l’exposition à la Fondation
Cartier pour l’art contemporain
Matériaux divers / Mixed media
Dimensions variables / Variable dimensions
Courtesy Thaddaeus Ropac
Photo © Michel Slomka / MYOP / Lumento
Ron Mueck, En Garde (2023)
Vue de l’exposition Ron Mueck à la Fondation Cartier pour l’art contemporain
Matériaux divers / Mixed media
Courtesy Thaddaeus Ropac
Dimensions variables / Variable dimensions
Photo © Marc Domage
ロン・ミュエクの前代未聞の展覧会
カルティエ現代美術財団の芸術の限界を押し広げるというコミットメントは、ロン・ミュエク氏の象徴的な彫刻を特集した現在の展覧会を通して、実証されています。超写実的で感情を揺さぶる彫刻作品で知られるロン・ミュエク氏は、来場者を畏敬の念で包み込むような作品群を作り上げました。
展覧会には、オーストラリア国外では初公開となるミュエク氏の記念碑的インスタレーション「Mass」(2017年)も含まれます。この息をのむような作品に加え、この日のために特別に制作されたミュエク氏の最新作を体験することができます。常に進化し続けてきた、ミュエク氏のアーティスト活動を垣間見る展覧会となっています。
これまで、カルティエ現代美術財団は芸術の探求と革新の道しるべであり続けてきました。画期的な展覧会に参加する機会を来館者に提供し、多様で広範なコレクションを紹介しながら、歴史の新たな章を歩み始めています。
カルティエ現代美術財団の多様性を受け入れる姿勢は、芸術愛好家や文化を求める人々にとって、新たな芸術との刺激的な出会いを約束しています。
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