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大館のアート部門責任者 パイ・リーとの対談を通してアート、エコロジー、社会の方向性を探る

香港・中環のランドマーク、大館(タイクン)のユニークな軌跡について、アート部門責任者のパイ・リー(Pi・Li)氏が啓蒙的な視点を共有してくれました。伝統的な美術館とは一線を画す大館は、歴史と芸術の活気ある融合施設として、常設コレクションを設けず、画期的で実験的な芸術作品の展示に力を入れています。この革新的な取り組みにより、新たな才能間での活発な交流が促進され、変幻自在なアート体験のハブとして機能しています。


Pi Li, the Head of Art at Tai Kwun
Pi Li, the Head of Art at Tai Kwun

かつて刑務所として機能していた歴史的建造物の中に位置する大館は、その長い歴史とスイスの建築家ヘルツォーク・ド・ムーロンが設計したモダンな建築要素が合わさった施設です。伝統と現代の美学の融合は、新旧の芸術形態を調和させる大館当代美術館(タイクンコンテンポラリー)の献身が反映されています。

 

パイ・リー氏は、大館と若者の繋がりを強調し、来館者の60%が40歳以下であることを指摘しました。これらの世代は、大館のプログラミングやアウトリーチマーケティングに大きな影響を与え、将来の方向性を形成していると言います。

 

大館当代美術館の軸となるミッションは、現代アートの再定義です。ライブアートやデジタルアートといった幅広いアートを紹介し、大衆文化との交わりを生むことで、現代アート鑑賞の幅を広げることを目指しています。その特徴的なプロジェクトに、ティノ・セーガル氏やブルース・ナウマン氏といった著名なアーティストの委嘱作品が挙げられます。セーガル氏のコンセプチュアル・アートは2021年の大規模個展の焦点となり、今夏にはナウマン氏の個展が予定されています。

 

対談では、大館当代美術館のキュレーションのアプローチ方法についてもお話を伺うことができました。それは、差し迫った社会問題を取り上げるグループ展「New Narratives」、影響力のあるアーティストの個展にスポットを当てる「Pioneering Artists」、新進または中堅のアーティストに新作の委嘱作品を発表する場を提供する「Breakthroughs」です。

 

パイ・リー氏は、特にアジア地域からの多様な視点を表現するという大館当代美術館のコミットメントに重点を置いています。大館当代美術館は、デジタル・エコロジーや国際的な状況における地域特有のナラティブといったテーマを積極的に探求し、既成概念にとらわれない示唆に富んだ視点の共有に尽力しています。

 

発展を続ける香港のアートシーンを振り返り、パイ・リー氏は香港が主要なギャラリーや美術館に支えられ、国際的なアートハブとして台頭しつつあると指摘します。こうした後ろ盾が、持続可能で多様なアート・コミュニティを育み、世界で活発的なアートに関する対話を生む貢献者として香港を位置づけているのです。

 

シュエ・タン(Xue Tan)とキャスリン・ウィアー(Kathryn Weir)がキュレーターを務める今回の展覧会「Green Snake」は、大館当代美術館の先進性を象徴しています。エスカレートする異常気象を背景に、神話、フェミニズム、エコロジーのテーマを取り上げたこの展覧会では、20カ国から30人以上のアーティストやコレクターが参加し、16点の新作を含む60点以上の作品を展示します。アート・バーゼル香港と同時期に開催される本展覧会は、人間と自然の関係について説得力のある物語を提供し、社会の見方を変え、アートの前向きな変化を促す能力を浮き彫りにします。

 

大館当代美術館は、現代アートを再定義し、多様な観客と関わり、揺るぎない勇気をもって重大な世界的問題に立ち向かいます。そうすることで、大館はインスピレーションの灯をともし、アートの境界を超え、想像力を掻き立てる、私たちが夢見た以上に美しい世界をもたらす未来へと私たちを導くのです。


Exhibition view of Green Snake: women-centred ecologies.

20 December 2023 - 1 April 2024, Tai Kwun Contemporary

Photography by Kwan Sheung Chi

Courtesy of Tai Kwun


Exhibition view of Green Snake: women-centred ecologies.

20 December 2023 - 1 April 2024, Tai Kwun Contemporary

Photography by Kwan Sheung Chi

Courtesy of Tai Kwun


Yussef Agbo-Ola, MIKA — 8 ROOT TEMPLE (2023)

Tabita Rezaire, The serpent’s tongue (2023), Walking meditation

Commissioned by Tai Kwun Contemporary

 

大館で開催中の展覧会「Green Snake」についての詳細はこちら。https://www.taikwun.hk/en/programme/detail/green-snake-women-centred-ecologies/1319。

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