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約30年ぶり、ヴィクトリア&アルバート博物館でカルティエの大規模展覧会が開催

ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)にて、英国では約30年ぶりとなるカルティエのジュエリーと時計に特化した大規模展覧会が開催されている。本展は2025年4月12日に開幕し、パリの家族経営ジュエラーから世界的ブランドへと成長したカルティエの、100年以上にわたるジュエリーデザインへの影響と軌跡を紹介している。

Brooch, Cartier London, 1933. Amethyst, sapphires, diamonds and platinum. Vincent Wulveryck, Collection Cartier © Cartier

Brooch, Cartier London, 1933. Amethyst, sapphires, diamonds and platinum. Vincent Wulveryck, Collection Cartier © Cartier


きらびやかな歴史的コレクション

本展覧会では、カルティエの芸術性、デザイン、クラフツマンシップの進化をたどる350点以上の作品が展示されている。来場者は、V&Aおよび「カルティエ コレクション」所蔵の貴重な宝飾品、歴史的な宝石、アイコニックな時計や置時計、さらに未公開のアーカイブ図面を間近で見る貴重な機会を得られる。


主な展示品には、1953年にエリザベス2世のために制作された23.6カラットの希少なピンクダイヤモンドを用いた「ウィリアムソン ダイヤモンド」ブローチ、1902年の戴冠式で使用され、2016年にはリアーナが『W マガジン』誌のカバー撮影で着用した「スクロール ティアラ」、1956年にモナコ公室コレクションから貸し出されたグレース・ケリーの婚約指輪(映画『上流社会』で着用)などがある。


Scroll tiara, Cartier Paris, commissioned for the Countess of Essex in 1902. Diamonds, silver and gold. Nils Herrmann, Collection Cartier © Cartier

Scroll tiara, Cartier Paris, commissioned for the Countess of Essex in 1902. Diamonds, silver and gold. Nils Herrmann, Collection Cartier

© Cartier


また、メキシコの女優マリア・フェリックスの1968年製作の蛇のネックレス、1903年製作の荘厳な「マンチェスター ティアラ」(V&Aコレクション所蔵)、さらにカルティエの象徴的なパンテール(豹)モチーフのジュエリー群も見逃せない。特に1978年製のオニキスをあしらったパヴェダイヤモンドのブレスレットは圧巻だ。


展示デザインとテーマ

展覧会のデザインは、英国人建築家・アーティストのアシフ・カーンが担当。カルティエがアーティストとのコラボレーションによる演出を重視してきた伝統を引き継ぎ、カーンは本展を「芸術と科学が交差する夢の世界」と表現。「光、時間、音の中にカルティエの作品を浮かべ、歴史に呼吸を与え、未来の余韻を漂わせる空間」を目指している。


展示は以下の三部構成となっている。

  1. カルティエの創造性 — インスピレーション源、シグネチャースタイルの確立、顧客との関係性を探る

  2. 技術革新とクラフツマンシップ — カルティエの工房、重要な宝石へのアクセス、技術革新を紹介

  3. イメージ作りとレガシー — 洗練されたマーケティング戦略とブランドの適応力を示す


展覧会のクライマックスでは、ジュエラーの創造性と技術力の極致を象徴するティアラが壮麗に展示されている。


Stomacher Brooch, Cartier Paris, special order, 1913. Carved crystal, diamonds and platinum. Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier

Stomacher Brooch, Cartier Paris, special order, 1913. Carved crystal, diamonds and platinum. Marian Gérard, Cartier Collection ©Cartier


Panther skin wristwatch. Cartier Paris, 1914. Onyx, diamonds, pink gold, platinum and black moiré strap. Nils Herrmann, Collection Cartier © Cartie

Panther skin wristwatch. Cartier Paris, 1914. Onyx, diamonds, pink gold, platinum and black, moiré strap. Nils Herrmann, Collection Cartier

© Cartier


キュレーターのコメント

展覧会キュレーターのヘレン・モールスワース氏とレイチェル・ギャラハン氏は次のように語っている。

「カルティエは世界で最も有名なジュエリーメゾンのひとつです。本展では、ルイ、ピエール、ジャックのカルティエ兄弟と父アルフレッドが、オリジナルデザイン、卓越したクラフツマンシップ、そして国際展開という戦略を採用することで、パリの家族経営ジュエラーを世界的なブランドへと変貌させた過程を紹介します」。

さらに、「世界屈指のジュエリーコレクションを有するV&Aは、カルティエの革新的な功績と、100年以上にわたって文化と創造性の中心に居続けた力を祝うのに最適な舞台です」と続けた。

 

Cartier


会期:2025年4月12日〜11月16日

場所:V&A サウスケンジントン館 セインズベリー・ギャラリー(Cromwell Road, London, SW7 2RL)

開館時間:毎日10:00〜17:45、金曜のみ22:00まで(ただし一部ギャラリーは17:45に閉館)

     ※閉館30分前より退館手続きが開始されます。

チケット:現在公式サイトにて販売中(vam.ac.uk/exhibitions/cartier

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