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細密から大胆へ:奥田雄太が描く「偶然性の美」

2016年にアーティストとしてのキャリアをスタートさせた奥田雄太は、微細な線描から緻密な作品を生み出してきました。近年では、"花"をテーマに掲げ、偶然性の美を追求しています。ファッションデザイナーとしても手腕を発揮し、多数のブランドと創造的なコラボレーションを展開してきた奥田氏。しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、世界的に見直されつつある価値観に対して、彼は「感謝」を提供します。最新作「with gratitude」では、このテーマを力強く表現しています。今回は、奥田氏のアートに対する深い洞察と、その多彩な芸術活動に迫ります。


Japanese Artist Yuta Okuda
奥田雄太

Gen de Art: 初期の芸術的影響について教えていただけますか?それがアーティストとしての旅路にどのような影響を与え、独自の芸術的アプローチをどのように形成しましたか?

奥田氏: 私のアーティストとしての最初のインスピレーションは、アレクサンダー・マックイーン氏でした。彼はファッションデザイナーですが、そのコンセプチュアル・アート的なアプローチに魅了され、彼の影響でイギリスに留学しファッションを学びました。彼はファッションデザイナーでありながら アーティストでもあり、彼の作品から感じるコンセプチュアルな要素に強く惹かれました。その結果、私のアート制作においても、コンセプトや思いを作品に込めることの重要性を理解するようになりました。アレクサンダー・マックイーン氏の影響が私の 芸術的なアイデンティティを形成する上で大きな要因であると言えます。


Gen de Art: 奥田さんの独自のアートスタイルを築いた過程を教えてください。なぜそこまで細密な作品を作ることに焦点を当て、その上で「偶然性」をどのように組み込んでいるのですか?

奥田氏: 私はもともとペンを使った緻密な作品を制作するのが得意でしたが、その中に偶然性を取り入れるために、滲みやグラデーション、アウトラインなどを使って独自のタッチを生み出す方法を見つけました。このアプローチによって、大胆さと細密さが絶妙に融合した作品を制作することができるようになりました。細密な線と偶然の要素が組み合わさることで、作品がより奥行きを持ち、観る者に新たな発見を提供することができます。


Artist Yuta Okuda

Gen de Art: 自然や精神性、人間関係といったテーマを探求していますが、これらのテーマを選ぶ背後にある理由と、こうしたテーマで作品を制作することに何故重要性を感じるのですか?

奥田氏: 私は子供の頃から自然に囲まれて育ち、その美しさや食物連鎖、物事の循環に心惹かれてきました。この考え方が私の制作活動に影響を与え、自分自身が人生の中で主人公であると同時に、他者とのつながりや関係性が生命のサイクルとして重要であることを理解しました。循環というテーマは私の制作活動の中心にあります。現在の作品で花を描く理由は、コロナ禍によって当たり前が変化した状況から、 今こそ感謝の意を大切にすることの重要性を感じたからです。作品を通じて感謝の気持ちを表現することは、循環とつながりの重要性を伝える手段として私にとって意義深いものとなっています。


Gen de Art: 奥田さんはさまざまな国際展覧会での出展やグローバルなコラボレーションを経験してきましたが、その中でのハイライトや印象的な出来事、学びを教えていただけますか?

奥田氏: 国際展覧会に参加することで、さまざまな国や文化の人々との交流や新たな発見がありました。特に印象的だったのは、ドバイでの展覧会に参加した際、アラの方々から自分の作品に対する独自の解釈や感想を伺うことができたことです。その 経験から、芸術は言葉の壁を越えて人々の心に届くことができるということを実感し ました。また、国際的なコラボレーションを通じて、様々な背景を持つアーティスト たちとの共同制作を経験し、彼らの制作プロセスや考え方から多くのことを学ぶこと ができました。国際展覧会やグローバルなコラボレーションは、私にとっての成長の 場であり、新たなインスピレーションを得ることができる大切な機会となっていま す。今後も小さな幸せを感じることができるような作品を制作していきたいと考えて います。


Gen de Art: 他のアーティストやクリエイターとのコラボレーションを通して、刺激的 な結果を得た経験をいくつか共有していただけますか?

奥田氏: 私自身、元々は洋服のデザイナーをしていたので色々なブランドやアーティ ストさんとコラボレーションをしています。コラボレーションをする理由としては、 私の技術では難しいことをコラボレーションによって可能にしたり、私に興味を持っ ている方だけではなく、コラボレーション先のブランドのファンから自分を知っても らう機会になるからです。そのため、コラボレーションは制作活動においても有用だ と考えています。アーティスト同士のコラボレーションでも、それぞれ持っている技術 やコンセプトが違う中で、どのようにお互いのコンセプトを掛け合わせて良いものを 作っていくかが大切です。脳みそのトレーニングのような部分もあるので、積極的に コラボレーションをしています。ですが、コラボレーションの一番の魅力は自分の能 力だけでは絶対にできないことを実現できることだと考えています。


奥田雄太氏の作品と言葉には、彼の芸術観や人生哲学が深く反映されています。国際 的な舞台での経験や多様なコラボレーションから得た学びが、彼の独特のアートスタ イルを更に磨き上げています。「感謝」という普遍的なテーマを、彼ならではの視点 で表現することにより、私たちも日常の中での感謝の気持ちを忘れずに生きる大切さ を再認識しました。彼の今後の活動にも期待が高まります。



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